今回は「口腔がん」について、知っておきたい基礎知識をまとめました。
口腔がんとは?
口腔がんは、舌や歯ぐき、頬の内側、上あご、口の底など、口の中にできるがんの総称です。日本では年間に約1万人が口腔がんと診断されており、決して珍しい病気ではありません。特に「舌がん」の発症が最も多く、全体の半数以上を占めます。
どんな症状?
次のような症状がある場合は、歯科医院で見てもらいましょう。
①2週間以上治らない口内炎や傷
②口の中のしこりや腫れ
③粘膜の赤色や白色への変色、ただれ
④刺すような痛み、出血
⑤口が開けにくい、食事が飲み込みにくい、話しにくい
⑥あごの下や首筋のしこり(リンパ節転移の可能性)
初期の頃にはほとんど痛みや出血を伴わないため、口内炎と思って放置してしまうことがあります。2週間しても口内炎が治らないような場合は、歯科医院で受診してみてください。
原因とリスク要因
主な原因は、たばこや過度の飲酒、合わない入れ歯や詰め物、虫歯による慢性的な刺激、口腔内の不衛生などです。最近では、砂糖入り清涼飲料水を毎日飲む習慣もリスクを高める可能性が指摘されています。特に喫煙と飲酒の両方があると、リスクはさらに高まるそうです。
予防のポイント
口腔がんは生活習慣の見直しで予防を心がけましょう。禁煙・節酒、バランスの良い食事、毎日の丁寧な歯磨き、歯科医院での定期的なメンテナンスが大切です。合わない入れ歯や詰め物は早めに調整しましょう。また、口の中の状態に違和感を感じたら早めに歯科を受診しましょう。
早期発見の重要性
口腔がんは早期に発見し治療すれば、治る確率が高いがんです。定期的な歯科検診で口腔内をチェックし、異常があればすぐに相談しましょう。初期のうちは自覚症状が乏しいため、プロによるチェックがとても有効です。
まとめ
口腔がんは決して他人事ではありません。毎日のセルフケアと定期的な歯科受診で、早期発見・予防に努めましょう。気になる症状があればご相談ください。