歯周病と脳梗塞の関係について
歯周病が進行すると、お口の中の細菌が血管を通じて全身に広がり、動脈硬化を引き起こすことがわかっています。動脈硬化が進むと脳の血管が詰まりやすくなり、脳梗塞のリスクが高まるのです。ここでは、そのメカニズムと予防法をわかりやすく説明します。
歯周病は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌が歯茎に炎症を起こす病気です。最初は歯茎の腫れや出血から始まり、放置すると歯を支える骨が溶けて歯が抜け落ちます。日本人の成人の約8割がかかっていると言われ、痛みを感じにくいため気づかないうちに進行する特徴があります。
★脳梗塞の原因と歯周病の関係
脳梗塞は、脳の血管が詰まって酸素や栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまう病気です。歯周病菌が血管に入り込むと、次のような過程で脳梗塞を引き起こします
①血管の炎症:歯周病菌が血管に入ると、毒素を出して血管の内側を傷つけます。傷ついた部分にコレステロールがたまり、プラーク(脂肪の塊)ができます。
②動脈硬化の促進:プラークが大きくなると血管が狭くなり、血液の流れが悪くなります。この状態を「動脈硬化」と呼びます。
③血栓の形成:プラークが破れると、それを修復するために血の塊(血栓)ができ、血管を完全に塞いでしまいます。
特に、歯周病の人は健康な人に比べて脳梗塞になるリスクが2.8倍も高いことが研究で明らかになっています。
★予防法
①毎日の歯磨き:歯周病予防の基本は歯磨きです。歯科医院で適切なブラッシングを学びましょう。
②定期的な歯科検診:定期的に歯科医院でチェックと専門的なクリーニングを受けましょう。
③生活習慣の改善:禁煙、バランスの取れた食事やストレスのコントロールが大切です。
④全身の健康管理:糖尿病や高血圧があると歯周病と動脈硬化が悪化しやすいため、内科的な治療もしっかり行いましょう。