はなぶさ歯科

はなぶさ歯科が大切にしていること

  • ①お口の健康の大切さに気付いていただくこと
  • ②より良いセルフケアを身に付けていただくこと
  • ③適切な診査、診断に基づく診療
  • ④患者さんひとりひとりに合った診療
  • ⑤十分な知識と技術に支えられた診療

はなぶさ歯科について

はなぶさ歯科は、「お口の健康にたずさわる」を掲げて地域の方々に良質の歯科医療を提供することを目標としています。 お口のことでお困りのことがございましたら、是非ご相談ください。

はなぶさ歯科 院長 金 志英

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はなぶさ歯科ニュース令和7年2月号

歯根膜は、歯の根の周りを取り囲む組織で、歯と歯槽骨(顎の骨)をつなぐ厚さ0.2~0.3ミリの非常に薄い組織です。歯の健康と機能において極めて重要な役割を果たしています。歯根膜は、コラーゲン線維を主体とした結合組織で構成されていて、セメント質(歯根の表面)と歯槽骨(あごの骨)を結びつけています。この線維は「シャーピー線維」と呼ばれ、歯を安定的に支える役割を果たしています。また、歯根膜には血管や神経が豊富に分布しており、栄養の供給や感覚を伝える機能も持っています。以下に歯根膜の主な役割をお伝えします。

 

① 衝撃吸収(クッション機能)

歯根膜は噛む際にかかる力を吸収・分散し、歯や歯槽骨への過剰な負荷を防ぎます。この機能により、硬いものを噛んだときでも歯や骨が損傷しにくくなっています。

 

② 感覚センサー

歯根膜には触覚や痛覚があり、噛む際の硬さや食感を感知して脳へ伝えます。これにより、私たちは食べ物の「歯ごたえ」や「硬さ」を感じることができます。また、異物が口の中に入った時にも敏感に感じることができます。

 

③ 噛む力の調整

歯根膜は微妙な揺れを生じさせることで、噛む力を適切に調節します。この働きにより、過剰な力がかかることなく効率的に咀嚼(食べ物を嚙み砕く)ことができます。

 

④ 歯と骨の結合

歯根膜はセメント質と歯槽骨をしっかりとつなぎ、歯を安定的に保持します。この結合があることで、歯が抜け落ちたり大きく動揺することを防いでいます。

 

⑤ 栄養供給と再生能力

歯根膜内の血管は周囲組織へ栄養を供給しています。また、一部の再生能力(骨やセメント質、歯槽骨などの細胞に分化し、歯周組織全体の再生に寄与する)を持つと言われています。

 

歯根膜は食事中の快適さだけでなく、咀嚼による全身への影響にも関与しています。例えば、噛む刺激が脳へ伝わることで、認知機能にも影響を与えるそうです。しかし、歯根膜は一度失われるともとには戻りません。例えば、抜歯後に行うインプラント治療では、天然歯の歯根膜と同じ感覚機能やクッション効果は得られません。そのために、虫歯や歯周病予防による天然歯の保存することがとても大切です。

このように、歯根膜は単なる薄い組織ではなく、「クッション」「センサー」「固定」などのいろいろな役割を担っています。