お口の中には、たくさんの細菌が住んでいます。これを「常在菌(じょうざいきん)」や「口腔内フローラ」と呼びます。 「菌」と聞くと良くないことをするイメージがあるかもしれませんが、私たちの健康を守ってくれる良いところもあります。しかし、お口の中の環境が悪くなると、むし歯や歯周病を引き起こしてしまうこともあります。
■ 菌の数や種類について
・生まれたばかりの 赤ちゃんのお口の中には、元々細菌はいないと言われています。お母さんや家族などから少しずつ細菌が移り住み、定着していきます。その後、お口の中には約700種類もの細菌が住むようになります。
・お口の中の細菌には、むし歯菌として、ミュータンス菌と乳酸桿菌が良く知られていています。また、歯周病菌としては、P.g.菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)などがあります。
・ 細菌たちは歯や粘膜にくっつき、仲間同士で集まって膜のような塊を作ります。これを「プラーク(歯垢)」と呼びます。プラークには、1mgの中に1億個以上の細菌がいるとされています。また、プラークはうがいでは取り除くことはできないそうです。
■お口の中の細菌のバランスについて
・一部の口腔内に住み着いている細菌(主にレンサ球菌)は、外部から紛れ込んだ病原性細菌が歯や粘膜に定着を防ぐ働きがあります。
・むし歯菌(ミュータンス菌など)は、砂糖などからネバネバした不溶性グルカンを出し、歯に強力にくっつきます。そこで酸を出して、歯を溶かすことで「むし歯」になります。
・歯周病菌(P.g.菌など)は、プラークが溜まって厚くなると、空気の届かない奥深くで増え始め、歯ぐきに炎症を起こしたり、骨を溶かしたりします。
・お口の中のお手入れ(毎日の歯磨き)が行き届かなくなると、歯や粘膜にむし歯菌や歯周病菌が定着できるようになります。そして、むし歯菌や歯周病菌が徐々に増えると、むし歯や歯周病になってしまいます。
■全身の健康への影響について
「お口は全身の入り口」と言われるように、お口の中の菌は体全体に影響を及ぼすことがわかってきました。
・誤嚥性(ごえんせい)肺炎: お口の細菌が誤って肺に入ってしまうと、肺炎の原因になることがあります。特にご高齢の方にとっては命に関わることもあります。
・血管や心臓の病気: 歯周病菌などが血管に入り込むと、動脈硬化や心臓の病気(心内膜炎など)のリスクを高めることがあります。
■お口の中の細菌のコントロール
お口の中の菌をゼロにすることはできませんし、その必要もないとされています。大切なのは、菌を無くすことではなく、むし歯菌や歯周病菌などの悪い菌が増えすぎないようにコントロールして、良いバランスを保つことです。
・毎日のプラークコントロール: 歯ブラシやフロス、歯間ブラシを使って、細菌の塊(プラーク)をしっかり取り除くことが一番大切です。
・定期的な歯科受診: 歯科医院を定期的に受診することで、お口の中のチェックを行って、適切なプラークコントロールができるようにアドバイスを受けましょう。また、自分では取り切れないプラークや歯石をきれいにして貰いましょう。
参考サイト
